SEはクライアントからのヒアリングをもとに、システム設計全体の構築および指揮を行う。具体的な作業内容は仕様書の作成、予算や人員の決定、進歩管理などだ。そして、全体の指揮官となるSEに欠かせない能力が、説明力と資料作成力である。システム開発における全体の構成を練ることがヒアリング後のSEの第一の仕事で、クライアントの要望に応えるシステムを開発するためのアイデアや構想を考えてまとめていく。
もしシステム開発を全て自分1人で行うならそのまま作業に取りかかれば良いが、作業はチームで分担して行うため、SEはそのアイデアと構想をプロジェクトメンバー全員に共有しなければならない。ここで重要なのが説明力で、メンバーに自分の考えを正確に伝え、かつ全員が同じ認識を共有できるかがプロジェクトを左右する。ここで認識がずれると、クライアントの要望と異なるものが出来上がったり、納期に間に合わなかったりなどのトラブルに発展しかねない。

こうしたトラブルを防ぐため、通常はプロジェクトメンバーでミーティングを定期的に開くが、その際に使う資料の完成度も重要だ。要点がすぐに伝わり、見やすく誤解を生まない資料を作らなければ、ミーティングの時間が無駄になることもあるし認識のずれにもつながる。
また、SEは案件獲得のため、見込みクライアントに提案資料を提出することもあるだろう。その時にレベルの低い資料を見せてしまっては、案件が獲得できずに会社の損失につながる。そのため、このような資料作成力やドキュメント力はSEが持つべき能力なのだ。